
芸術家


他人を模写するのは必要なことである。しかし、自分を模写するのは哀れなものだ

芸術というものは自然の研究に過ぎません。自然です。何もかもそこにあります

神童。それは多くの場合、非常に想像力の豊かな親を持った子供のことである

赤がなければ、青を使います

普段は用途だけで見ているからわかんないんだけど、そのものだけをいきなり切り取って見たら、結構すごいものがいっぱいあります

苦しい時には、自分よりもっと不幸な男がいたことを考えよ

家族同様に暮らしていくうちに、猫はしだいに家庭の中心的存在になってくる

この世は偶然に満ちている。だから人間は人工管理の街を造った。でも、街はいづれ老朽化し、その隙間から、追い出された偶然がまた顔をのぞかせる。カメラにはそれが美味しい

作家だとか、法律家だとか、政治家だとかをやってる女っていうのは、怪物だと思うね

現代人の欠点は自分の職業に愛と誇りを持っていないことである。多くの人が職業を必要悪の労役苦役と考えている

著者の死後、彼の日記を読むことは、彼からの長い手紙を受け取るようなものだ

芸術家を何とお思いか。画家なら目、音楽家なら耳、詩人であれば心に抒情、ボクサーなら筋肉のほかに何も持たない愚か者とでもお思いか。それはとんでもない勘違い。芸術家はそれだけでなく、政治的な存在でもあり、世の中の悲しみ、情熱、あるいは歓びにもつねに関心を抱き、ただその印象に沿って自らを形作っている

私は対象を見えるようにではなく、私が思うように描くのだ

時間は私たちに残された数少ない大切なものだ

壊れたギリシアの彫刻は、多くの傑作に分かたれた傑作です

芸術家というものは、自分に才能があると思うとだめになってしまう。つけあがらず、職人みたいに仕事をしてこそ、はじめて救われる

本当を言えば、すべてが思想で、すべてが象徴である

今は、もう感動はない。だから感想が湧くのである。感動には叫びはあるだろうが言葉はない

芸術は、盗作であるか革命であるか、そのいずれかだ

画家がどれだけ素晴らしいパレットを持っていても意味がない。大事なのは、どんな眼を持っているかなんだ

明日に引き伸ばせば、それは死んでしまう

過去とは、所有者の贅沢だ。過去を整頓しておくには一軒の家を持つことが必要だ。私は自分の体しか持たない

アバウトは健康にいい

運命は、むしろ降ってきたものを遊んだ方がいいのだろう。自分で選ぶとなれば運命として遊べないが、上から下りてくる運命は、むしろそれ自体を遊べる。自決できる世界は考えたら自分の範囲の狭いものだが、突然やってくる他からの運命の世界は自分よりも広い。どうも運命を遊ぶ気持ちが、他力思想の自在さに繋がっていくような気がする

恋の始まりは瞬間でも、つきあいが長引くかどうかは、美醜よりも人間味にかかわる問題だ

芸術作品は、部屋を飾るためにあるのではない。敵との闘争における武器なのだ

若いとき旅をしなければ、老いてからの物語がない

いかなる創造的活動も、はじめは破壊的活動だ

現在持っているものに満足しない者は、持ちたいと思っているものを手に入れたところで、満足しないだろう

芸術に従って芸術を作ってはならぬ

被写体に最初に出会った時の写真が一番良いんですね。うまく撮ろうとたくらんだ写真は、素直な力がなくなる

自然が本当に好きなら、あらゆるところで美を見い出せるだろう

本物の涙は、悲しい一ページからではなく、見事に置かれた言葉の奇跡から引き出される

絵を描くのは美的活動ではない。この敵意に満ちた奇妙な世界と我々の間を取り次ぐ、一種の魔術なのだ

親からもらった立派な体、というけど、じつは親からもらっているのは運の方かもしれない。運が脊髄のように芯としてあって、人間の人生というのはその運命の芯の回りにまつわる蛋白質、あるいは脂肪質、悪くいうと贅肉みたいなものなのだろうか

覚えておくんだ。生涯あなたに付き添ってくれる唯一の人はあなた自身なんだ

カメラっていうのは難しいんですね。湿気が一番良くないんだけど、乾燥しすぎても良くないらしい。湿度調整する装置がありますけど、あれで安心しても良くないらしいとか。やっぱり、使っているのが一番良くて、しまい込むのが一番良くないんですね。人間と同じなんですね。人間だって引きこもってばかりじゃよくないしね

芸術は、われわれに自然が永遠であることを味わわせなければならない

そもそも不用のものや、そこに転がっているものに「妙なもの」があるんです。これは「妙なもの」としか言いようがないんですけど、それは、まだ誰も見ていないということもあって、それを発見するのが面白かったんですね

大事は寄せ集められた小事によってなされる

自然には未だ知られていない諸力がある。我々が自分自身の余すことなき全てを自然へ委ねるとき、自然はそれらの力を我々に貸してくれる。我々の眼では見えず、知性でも理解・推測できないその諸力の形相を示してくれる

私は天才を自覚している

結局芸術の唯一の原則は、見るものを模写することだ

人間はコンピュータとは違って揺れ動いてますよね。だから、すべてのものを何かの思い入れを持って見ているんですね。なので、その時々によって違って見えてくることがあるんでしょうね

嫌われることは愛されることより難しい

とりあえず放送した方がいいというので、日本の世の中には形式だけのアナウンスがわんさと流れている。日本人は形式が好きだ、と思われても仕方のないことだ

愛の前で自分の損得を考えること自体ナンセンスだ。そんな男は女を愛する資格はない

若くなるには時間がかかる

与えようとばかりして、貰おうとしなかった。なんと愚かな、間違った、誇張された、高慢な、短気な恋愛ではなかったか。ただ相手に与えるだけではいけない。相手からも貰わなくては

生き方の基準は、正しいか正しくないかではなく、美しいか否かである

私には規則や方式は一切ない。裸婦を見る、すると幾千ものちいさな色合いが見えてくる。その中から、生き続けるものを探し出し、そのようにして真新しい色調をキャンバスの上に躍動させるのだ

昔の夢によりかかったり、くよくよすることは、現在を侮辱し、おのれを貧困化することにしかならない

同じことを繰り返すくらいなら、死んでしまえ

鉛筆や紙と同等の費用で映画が創れたときにのみ、映画は芸術作品となるだろう

私は絵の中で、音楽のように何か心慰めるものを表現したい

みんな神話が好きだ。だから私の絵を愛するのだ

日本人はやはり全員が五、六歳か、もしくはたんなる訴訟の素材なのだ

私は、愛したいと思いながら、それができない。私は、愛すまいと思いながら、それができない

美はざっと見てもわからない

僕は口が裂けても、諦めるなどとは言わない

回教徒が寺院に入るとき靴を脱ぐように、私は仕事中、ドアの外に肉体を置いてくる

全てのものは限られた量しかない。特に幸福は

もし私が犬よりも猫が好きだというのなら、それは警察猫というものがいないからである

わたしは立ち止まりはしない

モネは、ひとえに眼にほかならない。しかし、何という眼だろう

眼前のものに深く入ること。そしてできうる限り論理的な自己表現を、忍耐強く行うことです

芸術とは、自然が人間に映ったものです。大事なことは、鏡をみがくことです

眼が見えるということは一生涯もかかる教育の果実です

なんでもいいから、まずやってみる

僕はいつも自分が純粋に感じたこと、考えたことを、理解されようがされまいがダイレクトにぶつける

少なくとも自然は、生命を更新するためにのみ死を役立てます

画家とは売れるものを描く人のことで、アーティストとは描くものが売れる人のことをいう

とどのつまり歴史とは何か?歴史とは伝説と化した事実であり、伝説とは歴史と化したウソである

何にもなりはしない。僕が生きていれば、悲しみはいつまでも続くだろう。僕はこんな風に死んでゆきたいと思ってだんだ

僕たちの小さな情動が僕たちの人生の偉大な船長であることを、また僕たちは意識することなくこの小さな情動にしたがっていることを忘れないようにしよう

芸術家は自分の芸術について語ることはできない。植物が園芸を語れないように

自然に基づいて絵画を描くことは、対称を写生することではない。自分の感動を現実化することである

猛烈に自分を強くし、鋭くし、責任をとって問題を進めていく以外にない

ものがそこにあるという尊厳。これはいったいなんだろう。ただあるというだけなのに

母は、私にこう言った。「あなたは、軍人になれば、いずれ将軍となるでしょう。修道士になれば、最後には法王となるでしょう」私は、その代わりに画家になり、結局ピカソとなった

自然に生き、自分の気持ちをほんとうに伸ばしてゆこうとすれば、まず、いたるところで残酷に、壁に突きあたる

運命に耐えているとき、そこに真理が見える

人は、若くても年をとっても、絶えず成長したり変化したりしていますよね。固定したものはないんですね。だから、今、面白くないものは、あえて見ることもないなっていう気もします

もし、黄色と橙色がなければ青色もない

私は天才になるし、世界は私を称賛するだろう。評価されないかもしれないし、理解されないかもしれない。しかし天才になる、偉大な天才にね。なぜなら私はそのことを確信しているからさ

画家は労働者が働くように勉強しなければならない

素朴に、無邪気に、幼児のような眼をみはらなければ、世界はふくらまない

仕事は人間に必要だ。だから人は目覚まし時計を発明した

涙が出てきたら、耐えて、苦しんで、そして前進あるのみだ

確信を持つこと、いや確信を持っているかのように行動しなさい。そうすれば次第に本物の確信が生まれてくる

冒険こそが、わたしの存在理由である

真の芸術家とは、喜びのために仕事をする唯一といってよい人達だ

人生とは自らの道である。一つのことを試みることであり、一つの道を端的に示すことである

自然は至上の建築物である。自然の一切は最も美しい釣り合いをもって建てられている

人間の運命は人間の手中にある

何も真似したくないと思う者は、何も生み出さない

運が続くというのは、じつはどこかで運のウィルスに感染して、症状が広がっている、という状態なのではないだろうか

百の欠点を無くしている暇があるなら、一つの長所を伸した方がいい
