
ピーター・ドラッカー(Peter Drucker)


成果をあげる者は、時間が制約要因であることを知っている。あらゆるプロセスにおいて、成果の限界を規定するものは、最も欠乏した資源である。それが時間である

人の卓越性は、ひとつの分野、あるいはわずかの分野においてのみ、実現されるのである

真摯さはごまかせない

基本と原則に則っていないものは、かならず破綻する

どんな人でも努力すれば、“それなり”の能力は身につけることが出来る。そして、この世で成功するためには、“それなり”の能力があれば十分なのである

幹部の仕事と知識とは、あまり関係はない

時間を管理するには、まず自らの時間をどのように使っているかを知らなければならない

学問的な言い方ではないが、仕事ができる組織は仕事を楽しんでいる

組織の活動というのは、「いかに世の中に貢献していくか」という一点に集約される

歴史上いかなる国においても、企業とくに大企業は株主のためにのみマネジメントすべきであるという主張はもちろん、主として株主のためにマネジメントすべきであるという主張さえ、主流になったことはない

成果をあげる人とあげない人の差は才能ではない。いくつかの習慣的な姿勢と、基礎的な方法を身につけているかどうかの問題である。しかし、組織というものが最近の発明であるために、人はまだこれらのことに優れるに至っていない

経営者がかならず身につけておかなければいけない、大事な要素がひとつだけある。それは品性である

部下の成長は、育成した者にとって昇進に値する貢献としなければならない

成果とは常に成功することではない。そこには間違いや失敗を許す余地がなければならない

間違いや失敗を犯したことのない者というのは、単に無難なこと、安全なこと、つまらないことしか、やってこなかっただけである。逆に優れている者ほど、数えきれない間違いを犯すものであり、これは常に新しいことに挑戦している証拠である

経営者は、その企業の将来について、もっと時間と思索を割くべきである

効率とは、現在既に行われている事をより洗練させることである

後継者を自分一人で選んではならない。どうしても20年前の自分に似た者を選びたくなる

焦点の定まった明確な使命がなければ、組織はただちに組織としての信頼性を失う

人間にとって成長ないし発展とは、何に対して貢献すべきかを自らが決定できるようになることである

組織のマネジメントとは、凄い人材を入れることや改新的なサービスを導入する事のように思われているが、一番重要なのは、今ある人材と資産で何ができるかを考えることである

現実とつじつまが合わないイノベーションを手掛けてはいけない。そのようなイノベーションが実を結ぶことは希である。たんにその新奇さのゆえに、魅力的に見えることが少なくない。しかし、それらの多くはたとえ失敗しなくとも、莫大な資金と時間を要する

不得手なことの改善にあまり時間を使ってはならない。自らの強みに集中すべきである

組織に働く者は、組織の使命が社会において重要であり、他のあらゆるものの基盤であるとの信念を持たねばならない。この信念がなければ、いかなる組織といえども、自信と誇りを失い、成果をあげる能力を失う

急成長会社では無能な者が要職にいる。会社の成長についていけなかった人々である

人間は、「自分でなければ出来ない」と錯覚していることが多すぎる

我々が行動可能なのは現在であり、また未来のみである

選択肢を前にした若者が答えるべき問題は、正確には、何をしたらよいかではなく、自分を使って何をしたいかである

21世紀に重要視される唯一のスキルは、新しいものを学ぶスキルである。それ以外はすべて時間と共にすたれてゆく

あらゆる活動について「もし今日これを行っていなかったとして、改めて行うか」を問わなければならない。答えが否であるなら、「それでは、いかにして一日も早くやめるか」を問わなければならない

原因は何十年かのちに学者が明らかにするだろうが、行動する経営者としては待っていられないだろう。使えるもの、分かったことはどんどん使いなさい

集中するための第一の原則は、もはや生産的でなくなった過去のものを捨てることである。そのためには、自らの仕事と部下の仕事を定期的に見直し、「まだ行っていなかったとして、いまこれに手を付けるか」と問わなければならない

上司を過大評価することはあってもいいが、決して過小評価するな

成果をあげる人の共通点は、行わなければいけない事を、しっかり行っているというだけである

最初はダメでも何度でもやり直せという態度は誤りである

人々を動機付ける能力がなくては、経営者とは言えない

いまさら、自分を変えようとしてはならない。そんなのは、うまくいくわけがない

教養ある人間は、勉強し続けなければならないということを自覚している

すべての偉大な成功は、地味で面倒な事の積み重ねの上に成り立っている

世界一になりなさい。さもなければ撤退しなさい

会計学者や経営者は「純利益」という言葉を使うが、企業経営ではそんな言葉を使ってはいけない。「フューチャー・コスト(未来費用)」と呼ぶべきだ。企業というのは、リスクを負うために失敗することもある、そのときのために未来のコストを留保してあるのであって、利益の蓄積ではないのだ

イノベーションを成功するためには、小さくスタートしなければならない。大がかりであってはならない。具体的なことだけに絞らなければならない

自らの果たすべき貢献は何かという問いからスタートするとき、人は自由となる。責任をもつがゆえに、自由となる

寝床につくときに、翌朝起きることを楽しみにしている人間は、幸福である

以前にも成功をおさめたからといって、今度も以前と同様の仕事のやり方をし続ける経営者というものは必然的に失敗する運命にある

リーダーは尊敬されるが、必ずしも好かれるとは限らない

成功する人間に必要な生まれつきの能力などありはしない。ただ、あなたが成し遂げたいことに、必要な能力だけを身につければいいのだ

誰かが勇気ある決断をしなければ、どんな事業も成功しないだろう

問題の分析によって解決案が一つしか見つからなければ、その解決案は先入観に理屈をつけたにすぎないものと疑うべきである

生産性の本質を測る真の基準は「量」ではなく、「質」である

学ぶという事は一生続く、変化に遅れないようについていくためのプロセスだという事実を、私たちは今では受け入れている。そして、最も緊急な課題は人々に学び方を教えることである

完璧な青写真なるものは、二重に人を欺く。それは、問題を解決できないだけでなく、問題を隠すことによって、本当の解決を難しくする

仕事のやり方を変えるのではなく、仕事の意味を考えなさい

コミュニケーションで一番大切なことは、相手が口にしていない言葉を聞き分ける力である

もしマーケティングが完全に行われていたら、販売努力は不要だ

忠誠心を買うことはできない。獲得すべきものである。金の力で引き留めようとすれば、引き留められた者が誘惑に対する自分の弱さを会社のせいにするだけである

マネジメントたる者は、共に働く者から自らの仕事を教わらなければならない

優れた医者というのは、正しい診断を最も多く下す人ではない。誤った診断をすばやく見つけ、それを直ちに改めることのできる人である

組織は常に進化していなくてはならない

成功する企業というのは、「問題」ではなく、「チャンス」に目を向けている

真のイノベーションと新奇さを混同してはいけない。イノベーションは価値を生む。新奇さは面白いだけである。ところが組織の多くが毎日同じことを行い、毎日同じものをつくることに飽きたというだけで、新奇なものに取り組んでしまう

複雑なものはうまくいかない

何かを成し遂げるためには、そのことをしか考えられないという“狂い”が必要となる

企業の目的は顧客創造である以上、企業の基本的な機能はマーケティングとイノベーションの2つしかなく、そのほかはすべてコストだ

正しい構造が成果を約束してくれるわけではない。しかし、間違った構造は成果を生まず、最高の努力を無駄にしてしまう

管理者は高潔な品性をもってこそ、指導力を発揮し、多くの人の模範となりうる

成功する人に共通しているのは、ひたすらひとつの事に集中しているという点である

指揮者は、一人の人間を受け入れるために楽譜を書き直したりはしない

21世紀の最大の不安定化要因は人口の構造変化である。ただし、先進国における最大の問題は高齢化ではない。少子化のほうである

全力を注がなければ、単に約束と希望があるだけで、計画はない

自らに求めるものが少なければ、成長しない。多くを自らに求めるなら、成長しない者と同程度の努力で巨人に成長できる

判断の代わりに公式を使うことは、つねに間違いである

組織に働く者は、成果に何も寄与しないが無視できない仕事に時間をとられる。膨大な時間が、ほとんど役に立たない仕事、あるいはまったく役に立たない仕事に費やされている

無能を並みの水準にするには一流を超一流にするよりも、はるかに多くのエネルギーと努力を必要とする

優れた者ほど間違いは多い。それだけ新しいことを試みるからである

傲(おご)ってはいけません。企業は、社会によって存在させてもらっている存在なのです

昨日を守ること、すなわちイノベーションを行わないことのほうが明日をつくることよりも大きなリスクを伴う

非合理的な顧客なるものは存在しない。顧客は、顧客にとっての現実にもとづいて合理的に行動している

一番確実な未来予知の方法は、未来自体を作り出してしまうことである

業績を上げる最大のカギは責任感である。権威や権限ではない

重要なことは明日何をするかではなく、今日、何をしたかである

時間こそ真に普遍的な制約条件である。あらゆる仕事が時間の中で行われ、時間を費やす。それなのに、ほとんどの人が、この代替できない必要不可欠な資源を重要ではないもののように扱う。

企業はなによりもアイデアであり、アイデアを生むことのできるのは個々の人間だけである。勇を鼓して自ら思考し、既成観念にあえてそむける人なくして、その企業の成長と繁栄は望めない

チャンスとは一つのことに心に集中することによって、かろうじて見つけることができるものである

決断の場面においてはトップは常に孤独である

経営者は常に現実的でなければならない

働く人たちの姿勢は、何にもまして経営管理者の行動を反映する。彼らの姿勢は、経営管理者の能力と構造を映す

何事かを成し遂げるのは、強みによってである。弱みによって何かを行うことはできない。できないことによって何かを行うことなど、到底できない

成功への道は自らの手で未来をつくることによってのみ開ける

日本人の強みは、組織の構成員として、一種の「家族意識」を有することにある

計画とは未来に関する現在の決定である

マーケティングは事業全体を完全に包含する。それは最終成果の観点、つまり顧客の視点から見たビジネスすべてである。それゆえにマーケティングに対する配慮と責任は企業全体に浸透していなければならない

効率とは物事を正しく行うことで、有効性とは正しいことを行うことである

マーケティングの理想は販売を不要にすることである。つまり、製品がおのずから売れるようにすることである

まず、やりたいを決め、次に何に集中すべきかを決めなさい

生産性を向上させるためにまず問うべきは、何が目的か、何を実現させようとしているか、なぜそれを行うかである

真のマーケティングは顧客から出発する。すなわち人間、現実、欲求、価値から出発する

砂漠では、教養など何の役にも立たない。生きる技術を持っているかどうかが生き残れるかどうかを分ける。厳しいビジネスの世界も同じである
