
芸術家


私は対象を見えるようにではなく、私が思うように描くのだ

君はあなた自身を創造していると思いなさい

コレラや尿石や結核や癌は、天上へ行く交通機関

神童などという言葉は、家族のつくったものだ

現代人の欠点は自分の職業に愛と誇りを持っていないことである。多くの人が職業を必要悪の労役苦役と考えている

イエスとノーのあいだに真実が息づいている

運命は、むしろ降ってきたものを遊んだ方がいいのだろう。自分で選ぶとなれば運命として遊べないが、上から下りてくる運命は、むしろそれ自体を遊べる。自決できる世界は考えたら自分の範囲の狭いものだが、突然やってくる他からの運命の世界は自分よりも広い。どうも運命を遊ぶ気持ちが、他力思想の自在さに繋がっていくような気がする

ただこの世の中に生まれてきたから、惰性で生きてるなんて、そんなやつは、生きてる必要ない

画家がどれだけ素晴らしいパレットを持っていても意味がない。大事なのは、どんな眼を持っているかなんだ

宇宙には緊急な、致命的な、動かせない法則がある。なければならぬ

究極の善、究極の悪、究極の価値がなければ、人間のある活動が別の活動よりも本質的に優っていることなどあり得ない。だから、全ての行為が同じ価値しか持っていないということを認めざるを得ない。とするなら、一つの行為を別の行為よりも優先させるのは、我々が自分で独自の選択を行っているからある

愛は永久不滅なもの。姿かたちを変えることはあるが、本質は決して変わらない

眼前のものに深く入ること。そしてできうる限り論理的な自己表現を、忍耐強く行うことです

運命は人がその糸をもつれさせるのを好まない

芸術家を何とお思いか。画家なら目、音楽家なら耳、詩人であれば心に抒情、ボクサーなら筋肉のほかに何も持たない愚か者とでもお思いか。それはとんでもない勘違い。芸術家はそれだけでなく、政治的な存在でもあり、世の中の悲しみ、情熱、あるいは歓びにもつねに関心を抱き、ただその印象に沿って自らを形作っている

私はドラッグをしない。私自身がドラッグだ

与えようとばかりして、貰おうとしなかった。なんと愚かな、間違った、誇張された、高慢な、短気な恋愛ではなかったか。ただ相手に与えるだけではいけない。相手からも貰わなくては

生きる日のよろこび、悲しみ。一日一日が新しい彩りをもって息づいている

いや、40年と30秒だよ

わたしは立ち止まりはしない

自然は至上の建築物である。自然の一切は最も美しい釣り合いをもって建てられている

僕の人生はそれほど長くないだろう。だから僕は一つのことしか目に入らない無知な人となって仕事をするつもりだ。ここ数年のうちに何がしかの仕事をやり遂げてみせる

ゆっくり急げ。美よりも速く走れ

誰もが芸術を理解しようとする。ならば、なぜ鳥の声を理解しようとはしないのか

「それにしてもあの絵は全然彼女に似ていないな」なに、彼女の方でだんだん絵に似てくるさ

「志」のない知恵は、翼のない鳥に等しい

自分にとっていちばん面白いのは、思いもしないものに出会うことだ。自分の思いを超えたものにめぐり合うことである。何故それが面白いかといえば、そのことで自分が広がっていく快感があるからである

人はあらゆる物や人に意味を見出そうとする。これは我々の時代にはびこる病気だ

人生で最もすばらしい癒し、それが愛なのだ

今回この写真文庫(岩波写真文庫)を一冊ずつ選んで、いまの世から眺めていきながら、時代の空気というものをつくづく感じた。活字、つまり言葉では説明しきれないことが、写真からはぷんぷん匂ってくる。このシリーズは、戦後の空気の貴重な貯蔵庫だ。いまの肥満ぎみの世の中は、じつはこの空気を吸うことからはじまっている。良くも悪くも、この空気がいまの日本人の両親なのだ

普通の大人なら、球場はボールが飛んでくるから人にいわれなくても自分で注意する。それができないのは五歳か六歳で、つまりそれがいまの日本人の精神年齢ということだろう

人生は継続的なパーティーでなければいけないと思う

思いついたことは出来る。思いつかないものは出来ない。これは避けがたく、明白なことだ

生命の一分が過ぎていく!それを在るがままに描き、それをなすためにはあらゆるものを忘れよ!そのものになりきれ・・実際に見るもののイメージを与えよ

子どもは誰でも芸術家だ。問題は大人になっても芸術家でいられるかどうかだ

制服は征服するためにかかせない。私の人生を通じて、市民の衣装を着るほど自分をおとしめるのは稀だった。私はいつもダリという制服を着ている

流行なんて、文字どおり流れていく

アイディアは出発点以上のものではない。固まったらその先かたちを決めるのは思考だ

彫刻は、凹凸の術である

世間が決して飽きない唯一のものは誇張表現だ

私は同時に他人の自由をも目標にするのでなければ、自分の自由を目標にすることはできない

芸術というものは自然の研究に過ぎません。自然です。何もかもそこにあります

何を生命と呼ぶか。あらゆる意味から君を激動させるもの、君を突き貫くもののことである

私はいつも自分のできないことをしている。そうすればそのやり方を学べるからだ

私は毎日進歩しつつある。私の本領はこれだけだ

彫刻に独創はいらない。生命がいる

現在持っているものに満足しない者は、持ちたいと思っているものを手に入れたところで、満足しないだろう

壁は自分自身だ

芸術に従って芸術を作ってはならぬ

ダサいんですね。言葉を入れすぎると説明になっちゃって、言葉も写真もつまらないものになってしまうんです

美しい景色を探すな。景色の中に美しいものを見つけるんだ

芸術家の資格は、智慧と注意と誠実と意志のみである

真理に年齢はない

ユーモアを失わないように戦うのだ。ユーモアの欠如は愚の骨頂だ

見ることと感ずることを知る者は、至る所に常に賛美すべきものを見出すだろう

色彩は、それ自体が何かを表現している

破壊こそ創造の母だ

真実のほかに美はない

文明とは、麻痺状態のことだ

芸術作品が時代に先駆けてあらわれるとき、時代は芸術作品の後ろでもたもたしている

本物の画家というのは何もない砂漠で異常なシーンを描ける人だ

自分に能力がないなんて決めて、引っ込んでしまっては駄目だ。なければ尚いい、今まで世の中で能力とか、才能なんて思われていたものを越えた、決意の凄みを見せてやる、というつもりでやればいいんだよ

私は天才になるし、世界は私を称賛するだろう。評価されないかもしれないし、理解されないかもしれない。しかし天才になる、偉大な天才にね。なぜなら私はそのことを確信しているからさ

自分が自分自身に出会う、彼女が彼女自身に出会う、お互いが相手の中に自分自身を発見する。それが運命的な出会いというものだ

絶対に言えるのは、時間が経つとワインと同じで良くなるんです。少々の時間じゃだめだけどね、100年後とかね。何でもない写真でも100年経ったらすごく良く感じるんですよ

いかなる革命も、3日目から堕落が始まる

何にもなりはしない。僕が生きていれば、悲しみはいつまでも続くだろう。僕はこんな風に死んでゆきたいと思ってだんだ

芸術において不道徳は存在しない。芸術はつねに神聖である

大切なことは、熱狂的状況をつくり出すことだ

大切なことは混沌を拡大することだ。混沌を消し去ってはいけない

自分には過去も未来もない。ただ現在に生きようが為に絵を描くのである

偶然というのは、結局人間的なことなんじゃないか

我々は自分たちを巡る奥深い知られざる者の真ん中にいて、絶えず昏迷する

運命というのもひょっとしてウィルスみたいなものではないだろうか。それ自体では何事も起きないけど、他の実力をもったサルモネラ菌や、あるいは紙幣や、恋文や、試験の答案用紙や、いろんな物につくことで、それを動かす。でもそれ自体は姿も形もなくて、見ることができない

私の誕生の日から、死がその歩みを始めている。急ぐこともなく、死は私に向かって歩いている

すべては奇跡だ。例えば、お風呂に入ったとき、あなたがお湯に溶けてしまわないことだって

行動がすべての成功の鍵だ

自分の価値観を持って生きるってことは嫌われても当たり前なんだ

壊れたギリシアの彫刻は、多くの傑作に分かたれた傑作です

若さと年齢は無関係

真の芸術家とは、喜びのために仕事をする唯一といってよい人達だ

ふつうは歳をとったとかモーロクしたとかあいつもだいぶボケたとかいうんだけどそういう言葉の代わりに「あいつもかなり老人力がついてきたな」という風に言うのである。そうすると何だか歳をとることに積極性が出てきてなかなかいい

同じことを繰り返すくらいなら、死んでしまえ

何も真似したくないと思う者は、何も生み出さない

美術館はちょっとまとまり過ぎてる感じで、博物館的な世界には思わぬものがあるんだよね

秘訣というものはない。ただ正しさの法則があるばかりだ

優秀な芸術家は模倣し、偉大な芸術家は盗む

人の本当の仕事は30歳になってから始まる

画家の質はその人の過去の経験の量に左右される

今は、もう感動はない。だから感想が湧くのである。感動には叫びはあるだろうが言葉はない

仕事は人間に必要だ。だから人は目覚まし時計を発明した

老年は騒音から遠ざかる。沈黙と忘却に仕える

(カメラは)カビたり錆びたりもしますから、送られてきたお菓子とかに入っているシリカゲルを棚に入れたりしています。まあ、普通に置いてます

日本人が何をするにも明確であることが、私にはうらやましい

美はあらゆるところにある。我々の眼がそれを認めえないだけだ

若いとき旅をしなければ、老いてからの物語がない

人生の長さは一秒にも満たない。その僅かな時間に永遠に向けての準備をしなければならないとは!

愛することは、愛されること
