曲名Strange Fruit
(邦題:奇妙な果実)
アーティスト名Billie Holiday
(ビリー・ホリディ)
収録アルバム未収録
リリース日不明(シングル)
1939年(アルバム)

Strange Fruit/ Billie Holiday 歌詞和訳と意味

[Verse 1]
Southern trees bear a strange fruit
南部の木々は 奇妙な果実をつける
Blood on the leaves and blood at the root
葉は血に染まり 赤い血が根に滴っている
Black bodies swinging in the Southern breeze
南部の風に揺れる 黒い肉体
Strange fruit hanging from the poplar trees
奇妙な果実は ポプラの木々に垂れている

[Verse 2]
Pastoral scene of the gallant south
雄大で美しい 南部の牧歌的風景
The bulging eyes and the twisted mouth
飛び出した目玉 歪んだ唇
Scent of magnolias, sweet and fresh
木蓮の 甘くて爽やかな香り
Then the sudden smell of burning flesh
そして突然に 肉が焼けた臭いが漂ってくる

[Verse 3]
Here is a fruit for the crows to pluck
カラスの餌となる果実が ここにもひとつ
For the rain to gather, for the wind to suck
雨に晒され 風には弄ばれ
For the sun to rot, for the tree to drop
日差しに朽ち果て そして木から落ちる果実
Here is a strange and bitter crop
奇妙で惨めな果実が ここにはある

Strange Fruit/ Billie Holiday 解説

アメリカ南部を中心とした黒人へのリンチ・暴行などの人種差別を歌った曲。

とにかく、陰鬱で暗い曲ですが、それほどに、この現実を告発する必要があり、ビリー・ホリデイは、これを悲しく悲しく歌い込みます。怒りというよりも、この残虐な状況を知って欲しいと・・・。

南部の木々に垂れ下がる「奇妙な果実(黒人の死体)」。その光景を想像しただけでも、それさえ言葉にすることはできません。

もう一度この曲の意味深さ、メッセージ、そして、現代でも完全には無くなったとは言えないこの惨状を、改めてしっかりと受け止めて聴きたいものです。