The Brownsの「The Three Bells」は、1959年にリリースされたカントリー・ゴスペルの名曲で、アメリカの音楽シーンに深く刻まれた作品です。元々フランス語の曲「Les trois cloches」を英語に翻訳したもので、歌詞は一人の男性の一生を結婚、出産、そして死までの節目を教会の鐘とともに描く内容になっています。人生の大切な瞬間を鐘の音で知らせるというシンプルながらも温かいテーマが、多くのリスナーの心に響きました。
The Brownsは、姉弟で構成されたトリオで、控えめで調和の取れたハーモニーが特徴です。この曲では、兄弟姉妹それぞれの声が柔らかく重なり合い、まるで物語を静かに語りかけるかのような印象を与えています。特に、穏やかなカントリーメロディに乗せて、人生の喜びと悲しみを淡々と、しかし温かく伝える歌い方は、聞く人に深い安心感を与えてくれます。
歌詞の内容は、教会の鐘を通じて人の一生を描くという点で、宗教的な要素と日常のドラマがうまく融合しています。結婚の喜びや子どもの誕生、そして最期の別れまで、誰もが経験する人生の通過点を素直に歌い上げており、聴くたびにどこか懐かしい感覚に包まれます。日常にある小さな奇跡や家族のつながりを思い出させる曲として、今も愛され続けています。
また、この曲はカントリー音楽の枠を超えてポップチャートでも成功を収め、The Brownsにとって最大のヒット曲となりました。1950年代後半のアメリカで、家族やコミュニティをテーマにした曲が広く受け入れられていた背景も、この曲の人気を後押ししたと言えます。
「The Three Bells」は、シンプルでありながらも人間味あふれる物語を、美しいハーモニーと共に届ける名曲です。人生の大切な瞬間をそっと包み込むようなその歌声は、時代を超えて多くの人々の心に残り続けています。聴けば、誰もが自分の人生の節目を思い返し、少し温かい気持ちになれる一曲です。
The Three Bells/The Browns 歌詞和訳と意味
There’s a village, hidden deep in the valley
深い谷間に隠された村がある
Among the pine trees, half forlorn
松の木の中で、半ば悲しげに
And there, on a sunny morning
そして、ある晴れた朝に
Little Jimmy Brown was born
小さなジミー・ブラウンが生まれた
All the chapel bells were ringing
礼拝堂の鐘が鳴り響いた
In the little valley town
小さな谷の町中で
And the song that they were singing
そして、彼らが歌っていたのは
Was for baby Jimmy Brown
赤ん坊のジミー・ブラウンのための歌だった
Then the little congregation
そして、小さな集会所の人々は
Prayed for guidance from above
天からの導きを祈った
“Lead us not into temptation
Bless this hour of meditation
Guide him with eternal love.”
「誘惑に誘われることのないように
この瞑想の時を祝福し、
永遠の愛で彼を導いてください」
There’s a village, hidden deep in the valley
高い山の上にある
Beneath the mountains high above
深い谷間に村がある
And there, twenty years thereafter
そして、そこで20年後に
Jimmy was to meet his love
ジミーは彼の愛に出会った
All the chapel bells were ringing
礼拝堂の鐘が鳴り響いていた
‘Twas a great day in his life
彼の人生の素晴らしい日だった
Cause the song that they were singing
彼らが歌っていたのは
Was for Jimmy and his wife
ジミーと彼の妻のための歌だった
Then the little congregation
そして、小さな集会所の人々は
Prayed for guidance from above
天から導きを祈った
“Lead us not into temptation
Bless, O Lord, this celebration
May their lives be filled with love.”
「誘惑に誘われることのないように
主よ、この祝福を与えてください
彼らの人生が愛で満たされますように」
From the village, hidden deep in the valley
深い谷間から
One rainy morning dark and gray
ある雨の降る朝に
A soul winged its way to Heaven
魂が天に羽ばたいた
Jimmy Brown had passed away
ジミー・ブラウンは亡くなった
Just one lonely bell was ringing
小さな谷の町で
In the little valley town
一つだけ寂しい鐘が鳴り響いていた
‘Twas farewell that it was singing
そして、その鐘が歌っていたのは
To our dear old Jimmy Brown
私たちの愛するジミー・ブラウンへの別れだった
And the little congregation
そして、小さな集会所の人々は
Prayed for guidance from above
天から導きを祈った
“Lead us not into temptation
May his soul find the salvation
Of thy great eternal love.”
「誘惑に誘われることのないように
彼の魂が救いを見出すように
あなたの素晴らしい永遠の愛によって」
| 曲名 | The Three Bells (邦題:谷間に三つの鐘が鳴る) |
| アーティスト名 | The Browns (ザ・ブラウンズ) |
| 収録アルバム | Sweet Sounds by The Browns |
| リリース日 | 1959年 7月3日(シングル) 1959年(アルバム) |