「Galveston(ガルベストン)」は、1969年にリリースされたグレン・キャンベルの代表曲のひとつで、作詞作曲はジミー・ウェッブが手がけました。アメリカ南部・テキサス州の港町ガルベストンを舞台に、戦地に赴く兵士が故郷と愛する人を思う心情を描いた作品です。

歌詞は、遠く離れた恋人や平穏な日々への郷愁を、静かな祈りのように綴っています。「Galveston, oh Galveston / I still hear your sea waves crashing」というフレーズには、戦場で銃を手にしながらも、心は今も海辺の町に残っているという切なさが込められています。表面上は穏やかで美しいメロディながら、その奥には戦争の悲しみや、人間の弱さが滲み出ています。

当時のアメリカではベトナム戦争の最中であり、この曲は反戦ソングとしても受け止められました。グレン・キャンベル自身は愛国的な意図を強調していましたが、聴き手の多くはその裏にある「戦争によって奪われる日常」への静かな抗議を感じ取ったといわれています。

「Galveston」は全米カントリーチャートで1位、ビルボード・ホット100でも4位を記録し、彼の代表作として今も愛され続けています。美しい旋律と叙情的な歌詞が響き合うこの曲は、単なる戦争歌ではなく、愛と記憶の普遍的な物語として時代を超えて聴かれる名曲です。

Galveston/Glen Campbell 歌詞和訳と意味

[Verse 1]
Galveston, oh Galveston
ガルベストン、ガルベストン
I still hear your sea winds blowin’
あの海風がまだ聞こえる
I still see her dark eyes glowin’
彼女の黒い瞳が輝いているのがまだ見える
She was twenty-one when I left Galveston
僕がガルベストンを去った時、彼女は21歳だった

[Verse 2]
Galveston, oh Galveston
ガルベストン、ガルベストン
I still hear your sea waves crashing
激しく打ち寄せる波の音がまだ聞こえる
While I watch the cannons flashing
大砲の閃光を見ながら
I clean my gun and dream of Galveston
僕は銃を掃除し、ガルベストンの夢を見る

[Bridge]
I still see her standing by the water
僕は今も彼女が水辺に立っているのが見える
Standing there lookin’ out to sea
海を見つめてそこに立っている
And is she waiting there for me?
彼女は僕を待ってくれているだろうか?
On the beach where we used to run
僕たちが走り回っていたビーチで

[Verse 3]
Galveston, oh Galveston
ガルベストン、ガルベストン
I am so afraid of dying
僕は死ぬのが怖い
Before I dry the tears she’s crying
彼女の涙を拭きとるまでは
Before I watch
もう一度見るまでは
Your sea birds flying in the sun
ガルベストンで太陽の下、海鳥が飛んでいるのを

[Outro]
At Galveston
ガルベストンで
At Galveston
ガルベストンで

曲名Galveston
(ガルベストン)
アーティスト名Glen Campbell
(グレン・キャンベル)
収録アルバムGalveston
リリース日1969年 2月24日(シングル)
1969年 3月(アルバム)