曲名Grace
(グレース)
アーティスト名Jeff Buckley
(ジェフ・バックリィ)
収録アルバムGrace
リリース日1994年 8月23日(アルバム)

Grace/Jeff Buckley 歌詞和訳と意味

[Verse 1]
There’s the moon asking to stay
月が俺を引き留めようとしてる
Long enough for the clouds to fly me away
飛び立つには良い空模様 もう待つのは十分だ

Well it’s my time coming
別れの時間が近づいてるが
I’m not afraid, afraid to die
怖くないさ 死ぬことなんて
My fading voice sings of love
離れゆく中で愛を語っても
But she cries to the clicking of time
君は過ぎゆく時間を恋しがってる

[Chorus]
Wait in the fire, wait in the fire
炎に身を焼かれるようなどんな苦痛も受け入れる
Wait in the fire, wait in the fire
炎に身を焼かれるようなどんな苦痛も受け入れるよ

[Verse 2]
And she weeps on my arm
そして君は俺の腕を涙で濡らして
Walking to the bright lights in sorrow
悲しみに暮れながら光へと歩いていくんだ
Oh drink a bit of wine
少しワインを飲もう
We both might go tomorrow, oh my love
俺達が明日を迎えられるように なぁ

And the rain is falling
雨が降っている
And I believe my time has come
とうとうお別れの時さ
It reminds me of the pain I might leave, leave behind
君に辛い思いをさせてしまうってこと思い知らされるよ

[Chorus]
Wait in the fire, wait in the fire
炎に身を焼かれるようなどんな苦痛も受け入れる
Wait in the fire, wait in the fire
炎に身を焼かれるようなどんな苦痛も受け入れるよ

[Bridge]
And I feel them drown my name
世界中が俺を忘れるだろう
So easy to know and forget with this kiss
そしたらすぐわかる だからこのキスで君も忘れて
I’m not afraid to go but it goes so slow
死ぬのは怖くない 待ち遠しいくらいさ

[Chorus]
Wait in the fire, wait in the fire
炎に身を焼かれるようなどんな苦痛も受け入れる
Wait in the fire, wait in the fire
炎に身を焼かれるようなどんな苦痛も受け入れるよ

Grace/Jeff Buckley 解説

この曲を紹介する前に、まずJeff Buckley(ジェフ・バックリィ)について簡単に紹介しておきましょう。

ジェフはアメリカ出身のアーティストで、ローリングストーン誌の選ぶ偉大なシンガーにもランクインするほど批評家からも評価の高いアーティストです。それにも関わらず、彼のリリースしたアルバムは今回紹介する「Grace」がタイトルになったアルバム1つしかありませんし、USビルボードでは最高149位とセールスはお世辞にも良いとは言えません。

実は彼が一般に評価され、セールスを上げ始めたのは後述の理由により彼が30歳で亡くなった後になります。彼の死後発表されたシングル「Hallelujah」は全米で2位のセールスを記録し、唯一のアルバムも累計200万枚のプラチナディスク認定。彼が死後に認知されたのは上に書いた「Hallelujah」によるものですが、今回は「Grace」についての紹介なのでここらへんにしときましょう。要は若くして亡くなったにもかかわらず、根強い人気を誇るアーティストだと認識して頂ければ大丈夫です。

さて、この曲はジェフ自身が雨の日の空港で、恋人と離ればなれになった時の思い出から着想を得たそうです。本人へのインタビューによると、この曲の解釈は次のようです。

“It’s about not feeling so bad about your own mortality when you have true love.”

(この曲で伝えたいのは、もし自分が本当に愛されているのなら、死ぬ運命だとしても辛くないということなんだ)

ジェフのいうように「Grace」の歌詞の中には、愛をもって死や苦痛を恐れない人の姿が描かれており、その表現は詩として美しさを感じるほどです。

ジェフが亡くなったことは前述したとおりですが、この歌詞中には「俺の名前が忘れ去られる」という表現が登場します。drownの本来の意味は「溺れる」という意味です。ジェフが若くして亡くなった死因は、偶然にも事故による溺死。意図せず彼は自分の歌詞と同じ運命を辿ることになったのでした。

しかしながら、死後も彼の名は忘れられることなく、彼の曲は全世界で愛され続けています。彼の憂いは晴れたのでしょうか。そして最も気がかりなのは、彼が本当の愛に包まれて恐れなく天国へ逝くことが出来たかどうかです…。