曲名The Sound of Silence
(サウンド・オブ・サイレンス)
アーティスト名Simon &Garfunkel
(サイモン&ガーファンクル)
収録アルバムWednesday Morning 3 A.M.
リリース日1965年 9月12日(シングル)
1964年 10月19日(アルバム)

The Sound of Silence/Simon & Garfunkel 歌詞和訳と意味

[Verse 1]
Hello darkness, my old friend
やあ暗闇 古くからの友よ
I’ve come to talk with you again
再び君と話をしに来たのは
Because a vision softly creeping
あるビジョンがぼんやり見えたからだ
Left its seeds while I was sleeping
私が眠っている間 それは種を残して
And the vision that was planted in my brain
やがてビジョンは私の頭の中で芽吹き
Still remains within the sound of silence
静寂の音の中に残ったまま離れないのだ

[Verse 2]
In restless dreams, I walked alone
途切れぬ夢の中 私はひとり歩いた
Narrow streets of cobblestone
丸石の敷かれた狭き道を
‘Neath the halo of a street lamp
街灯が照らす光のそばで
I turned my collar to the cold and damp
私は寒さと雨をしのぐために 襟を立てた
When my eyes were stabbed by the flash of a neon light
ネオンの輝きに私の目が眩んだ時
That split the night, and touched the sound of silence
夜は分かたれ 静寂の音に触れたのだ

[Verse 3]
And in the naked light I saw
むき出しの光の中で私は見た
Ten thousand people, maybe more
1万 いやそれ以上の人々が
People talking without speaking
声を発することなく言葉を交わし
People hearing without listening
耳を傾けることなく音を聞き取り
People writing songs that voices never shared
声なき歌を人知れず紡いでいるのだ
And no one dared disturb the sound of silence
そこには静寂の音を妨げようとする者などいない

[Verse 4]
“Fools,” said I, “You do not know
「馬鹿な人々よ」私は言った 「君たちは知るまい」
Silence like a cancer grows
「静寂は癌のように蝕むことを」
Hear my words that I might teach you
「君たちに教えてやろう」
Take my arms that I might reach you”
「さあ 近づいて私の腕に捕まりなさい」
But my words, like silent raindrops, fell
だが私の言葉は 音のない雨のように
And echoed in the wells of silence
静かに佇む井戸の中で こだまするだけ

[Verse 5]
And the people bowed and prayed
人々が頭を垂れ祈った
To the neon god they made
自ら作りあげたネオンの神に
And the sign flashed out its warning
危機を知らせるお告げが照らし出された
In the words that it was forming
それ自身が言葉に形を変えて

And the sign said, “The words of the prophets
お告げではこう示された 「預言者の言葉は」
Are written on the subway walls and tenement halls
「地下鉄の壁や安いアパートの玄関にこそある」
And whispered in the sound of silence”
「そして静寂の音の中 その言葉が囁かれるのだ」

The Sound of Silence/Simon & Garfunkel 解説

海外でも解釈の分かれる「The Sound of Silence」ですが、もっとも一般的なのは悲劇のアメリカ大統領、ジョン・F・ケネディの暗殺について歌った曲であるという説です。この曲と暗殺事件は時期的に重なっており、事件から3ヶ月後にリリースされています。このことから、ケネディに向けたレクイエムであると考えられているとか。

さて、それは別として歌詞が伝えたいメッセージを当サイトなりに解釈してみます。

歌詞の最初に「ビジョンを見た」とあるように、その後語られることは語り手のビジョン(未来図)なのでしょう。そのビジョンの中では、人々は自らの作り出したネオンの神を崇めており、静寂の音を妨げることなく(=声を発しコミュニケーションを取ることなく)、声なき歌(=自分の考え)を作り上げています。そのことに危機感を感じた語り手の呼びかけも虚しく、沈黙を守る人々。

挙げ句の果てにネオンの神から「預言者の言葉は平凡な所にある(=一般市民の考えこそが真に重要である)」というお告げがあっても、囁く程度の声しか上がってきません。この解釈でいけば、「The Sound of Silence」はテレビやマスメディアの台頭で意見の発信をしなくなった人々へ向けた批判である、というふうに考えることができます。

人々は互いに意見を交えることなく、テレビで流される情報を鵜呑みにして自分の考えを作り上げている世界。それを問題視する人々の声も、さらにはテレビ自身からの警告さえも、なんの意味も為さなくなってしまった。これから訪れるだろう、そんな未来に向けて作られた歌なんだと感じます。なんだかジャミロクワイの「Virtual Insanity」を思い出しますね。