Rick Astleyの「Cry for Help」は、1991年にリリースされたアルバム『Free』からのリードシングルで、彼のキャリアの中でも特に印象的な一曲です。80年代後半の「Never Gonna Give You Up」や「Together Forever」といったダンス寄りのヒット曲から一転し、この曲ではより深みのあるソウルフルな一面を打ち出しました。プロデュースにはメガデス級のヒットメーカーとして知られるデヴィッド・フォスターが関わり、コーラスにはゴスペルの要素を取り入れた壮大なサウンドに仕上がっています。
歌詞のテーマは、人が抱える孤独や弱さ、そして助けを求める気持ちです。「Cry for Help(助けを求める叫び)」というタイトルの通り、完璧に見える人間でも内心は不安や迷いを抱えていて、支えを必要としているというメッセージが込められています。Astleyの力強くも温かみのある歌声と、バックに響くゴスペル調のコーラスが、その必死さや切実さを一層際立たせています。聴いていると、胸の奥にある弱い部分を代弁してくれているようで、ふと立ち止まって心を見つめたくなるんです。
この曲は全米チャートでもトップ10入りを果たし、Rick Astleyが単なる80年代のポップスターにとどまらず、90年代に入ってもシンガーとしての実力を示した作品となりました。アップテンポなダンスチューンで知られていた彼が、バラードでこれだけの存在感を発揮できることに、多くのファンが驚かされたはずです。
「Cry for Help」を聴くと、誰かに弱音を吐くことは決して悪いことじゃないと感じさせられます。むしろ、声をあげることで初めて救われる瞬間があるのだと気づかせてくれるんです。90年代のポップスの中でも、時代を超えて心に響く名曲のひとつ。疲れたときや心細いときに耳を傾けると、少しだけ気持ちが軽くなる、そんな力を持った一曲です。
Cry for Help/Rick Astley 歌詞和訳と意味
[Verse 1]
She’s taken my time
彼女は俺の時間を奪っていく
Convinced me she’s fine
「大丈夫」なんて言葉で俺を信じ込ませて
But when she leaves
でも、彼女が去ったあと
I’m not so sure
本当にそうなのか分からなくなる
It’s always the same
いつも同じ繰り返し
She’s playing her game
彼女は自分のゲームを続けて
And when she goes
そして去っていくと
I feel to blame
俺が悪いんじゃないかって思ってしまう
[Pre-Chorus]
Why won’t she say she needs me?
なぜ彼女は「必要だ」と言ってくれないんだろう
I know she’s not as strong as she seems
強がってるだけだって、俺には分かってるのに
[Chorus]
Why don’t I see her cry for help?
どうして俺には助けを求める涙が見えないんだろう
Why don’t I feel her cry for help?
どうして俺には助けを求める心が伝わらないんだろう
Why don’t I hear her cry for help?
どうして俺にはその叫びが聞こえないんだろう
[Verse 2]
I wandered around
俺は街をさまよい
The streets of this town
この街の通りを歩き続けた
Trying to find sense in it all
何か意味を探そうとして
The rain on my face
頬に打ちつける雨が
It covers the trace
痕跡を隠していく
Of all the tears
流してきた涙のすべてを
I’ve had to waste
無駄にしてきた涙の跡を
[Pre-Chorus]
Why must we hide emotions?
なぜ俺たちは感情を隠してしまうんだろう
Why must we never break down and cry?
どうして素直に泣いちゃいけないんだろう
[Chorus]
All that I need is to cry for help
俺が求めてるのは、ただ「助けて」と叫ぶことだけ
Somebody please hear me cry for help
どうか誰か、この声を聞いてくれ
All I can do is cry for help
俺にできるのは、ただ「助けて」と泣くことだけ
No need to feel ashamed
恥じる必要なんてない
Release the pain
痛みを解き放てばいい
Cry for help
「助けて」と叫べばいい
Cry for help
助けを求めるその声が
Is all I need
俺にとってすべてなんだ
All I need
俺が欲しいのは
Is a cry for help
「助けて」というその声だけ
Cry for help
助けを求めてほしい
Is all I need
それが俺に必要なすべてなんだ
All I need
俺が欲しいのは
Is a cry for help
「助けて」というその声だけ
[Pre-Chorus]
Why must we hide emotions?
なぜ感情を隠してしまうんだろう
Why can’t we ever break down and cry?
どうして素直に泣くことができないんだろう
[Chorus]
All that I need is to cry for help
俺が求めているのは「助けて」と叫ぶことだけ
I will be there when you cry for help
君が助けを求めたら、俺は必ずそこにいる
Why don’t I hear her cry for help?
どうして俺には彼女の叫びが聞こえないんだろう
All that I need is to cry for help
俺が欲しいのはただの「助けて」なんだ
Somebody please hear me cry for help
どうか誰か、この声を聞いてくれ
All I can do is cry for help
俺にはそれしかできないんだ
All that I need is to cry for help
必要なのは助けを求める声だけ
I will be there when you cry for help
君が声を上げれば、俺は必ず駆けつける
Is it so hard to cry for help?
「助けて」と言うことは、そんなに難しいのか?
(Cry for help is all I need)
(俺に必要なのは「助けて」という声だけ)
No need to feel ashamed
恥じることなんてない
(All I need is a cry for help)
(欲しいのはただその声だけ)
Come on and release the pain
痛みを解き放てばいい
(Cry for help is all I need)
(俺に必要なのはその声だけ)
Put your trust in me
俺を信じてほしい
(All I need is a cry for help)
(欲しいのはただのその声)
My love is gonna set you free
俺の愛が君を自由にするから
曲名 | Cry for Help (クライ・フォー・ヘルプ) |
アーティスト名 | Rick Astley (リック・アストリー) |
収録アルバム | Free |
リリース日 | 1991年 1月14日(シングル) 1991年 3月12日(アルバム) |