イギリスのロックバンド、The Animalsが1964年に発表した「The House of the Rising Sun」は、ロック史に残る名曲として知られています。この曲は元々アメリカの伝承歌であり、誰が最初に作ったかは定かではありません。19世紀から歌い継がれてきたフォークソングで、様々な歌手によって歌われていましたが、The Animalsがロックアレンジを施したことで一気に世界的に有名になりました。

歌詞では「ライジング・サンの家」と呼ばれる場所が登場しますが、これが何を指しているのかは長年議論の対象となってきました。一般的には、ニューオーリンズにあった賭博場や娼館を指すとされ、放蕩生活や破滅の象徴として描かれています。歌の語り手は「自分のような人生を歩まないように」と若者に警告を投げかけており、その切実な内容が聴く人に強い印象を与えます。

The Animalsによるバージョンは、エリック・バードンの力強く哀愁漂うボーカルと、アラン・プライスのオルガンの響きが特徴的です。特にイントロのアルペジオは一度聴いたら忘れられないほど印象的で、曲全体に重厚でドラマチックな雰囲気を与えています。これにより、フォークソングだったものが一気にロックアンセムへと生まれ変わりました。

このシングルは全英チャートで1位を獲得し、アメリカのビルボード・ホット100でも1位に輝きます。イギリスのバンドとしてアメリカのチャート1位を取った初期の例の一つであり、ブリティッシュ・インベージョンを象徴する楽曲となりました。また、この成功によってThe Animalsは一躍スターダムにのし上がり、ロック史にその名を刻むことになります。

「The House of the Rising Sun」は、その後も多くのアーティストにカバーされ続けています。ボブ・ディラン、ジョーン・バエズ、ドリー・パートンなどジャンルを超えたミュージシャンに歌われ、時代を超えて愛されてきました。伝承歌としての深い歴史と、The Animalsが吹き込んだロックの魂が融合したこの曲は、まさに普遍的な名曲といえるでしょう。

哀愁漂うメロディと切実な歌詞、そして圧倒的な演奏。今なお聴く人の胸を打つ「The House of the Rising Sun」は、フォークとロックの架け橋として特別な存在感を放ち続けています。

The House of the Rising Sun/The Animals 歌詞和訳と意味

[Chorus]
There is a house in New Orleans
ニューオーリンズには一軒の家がある
They call the Rising Sun
それを「ライジング・サン」と呼んでいる
And it’s been the ruin of many a poor boy
多くの哀れな少年たちを破滅させてきた
And, God, I know I’m one
そして、神よ、俺もその一人だと知っている

[Verse 1]
My mother was a tailor
俺の母は仕立て屋だった
She sewed my new blue jeans
母は俺の新しいジーンズを縫ってくれた
My father was a gamblin’ man
俺の父は博打打ちだった
Down in New Orleans
ニューオーリンズの街で

[Verse 2]
Now the only thing a gambler needs
博打打ちに必要なのは
Is a suitcase and a trunk
スーツケースとトランクだけ
And the only time he’s satisfied
そいつが満足するのは
Is when he’s all drunk
酔いつぶれている時だけ

[Verse 3]
Oh, mother, tell your children
ああ、母よ、子供たちに言ってくれ
Not to do what I have done
俺と同じことをするなと
Spend your lives in sin and misery
罪と惨めさの中で生きるなと
In the House of the Rising Sun
「ライジング・サン」というあの家で

[Verse 4]
Well, I got one foot on the platform
片足はすでに駅のホームにかけ
The other foot on the train
もう片方は列車に乗せている
I’m goin’ back to New Orleans
俺はニューオーリンズへ戻っていく
To wear that ball and chain
鉄球と鎖をつけられるために

[Chorus]
Well, there is a house in New Orleans
そう、ニューオーリンズには一軒の家がある
They call the Rising Sun
それを「ライジング・サン」と呼んでいる
And it’s been the ruin of many a poor boy
多くの哀れな少年たちを破滅させてきた
And, God, I know I’m one
そして、神よ、俺もその一人だと知っている

曲名The House of the Rising Sun
(邦題: 朝日のあたる家)
アーティスト名The Animals
(アニマルズ)
収録アルバムThe Animals
リリース日1964年 6月(シングル)
1964年 10月30日(EUアルバム)